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GTS1000(ヤマハ)

ヤマハ/GTS1000

リッタークラスが充実してきた頃に登場したGTS1000。90年代初めのモデルでは珍しいインジェクションを採用し、環境への配慮もなされた素晴らしい機体である。

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フロント片持ちアームなど先進技術を注ぎ込んだリッターツアラー「GTS1000」

リッター解禁となり、輸出モデルのみだったVMAXやFJ1200、GPZ900Rが国内モデルとしても登場したのが1990年代初め。輸出・国内ともにリッタークラスのラインナップが充実化されてきた頃、1992年のIFMAショー(ケルンショー)に登場したGTS1000は、その車体構成で話題となった。通常、フロントの足回りは、一般的に「フロントフォーク」と呼ばれるテレスコピック式のものがほとんどだが、GTS1000は片持ちのスイングアーム式を採用。すでに登場していたビモータ・テージ1Dのハブセンターステアリング機構にも似た特徴的な構成だ。

また、フレームの形状も特徴的で、エンジンを強度メンバーに取り入れたオメガ(Ω)形状のアルミフレームでエンジンを左右から挟み込む形がとられている。このフレームレイアウトもビモータ・テージ1DのアルミUボーンフレームに似ている。これに、リアのスイングアームに相当するロアアームやショック、ホイールの左右を操舵するアームで構成されたフロントユニットが装備されている。ショック機能と操舵系を独立させることで、安定感のある走りを実現している。

搭載されたエンジンはFZR1000をベースとしたもので、カムプロフィールや吸排気系の変更を行うことで、常用域での扱いやすさや加速性能を向上させている。また、当時としては珍しく、キャブではなくインジェクションを採用。燃費の向上、排ガス浄化性、始動性に優れ、マフラーには三元触媒を内蔵することで、排ガス中の一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物等の大幅な低減を図るなど、環境への配慮もなされた。1990年代初めのモデルながら、2000年代後半のモデルのような装備を誇っていたのである。ツアラーとして素晴らしいモデルであり、かつスイングアーム式のフロントサスの可能性を提示した価値あるバイクがGTS1000。現在では希少となってしまい入手困難だ。