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GPZシリーズから世界最速の座を受け継いだモデルが「ZX-10(ZXT00B)」

歴史に残るZ1(1972年)、世界最高速の座に輝いたGPZ900R(ZX900A)、そしてGPZ1000RX(ZXT00A)と続いたカワサキ・リッタークラスの人気は高く、その後継モデルとして登場したのがZX-10だ。

GPZ1000RXをベースに、フルモデルチェンジともいえる大きな改良が加えられ、アルミツインチューブがメインとなるダブルクレードルタイプのe-BOXフレームは、GPZ1000RXから4.5kg軽量化した15.5kg。全体的なスタイルはGPZ1000RXと共通のラインを生かし、滑らかで丸みのある曲面構成で仕上げられ、エアロダイナミクス効果がさらに高められた。

エンジンは、同系統の左サイドカムチェーンの水冷DOHC4バルブ並列4気筒。基本的にはGPZ1000RXと変わらないが、クランク、コンロッド、ピストン、シリンダーヘッド回りを大きく設計変更し、125psから137psにパワーアップ。空力特性と相まって、最高速度270km/h、ゼロヨン10秒5という驚異的なパフォーマンスを示した。低速域から太いトルクで立ち上がるタイプではないが、パワーバンドは広く、回転が上昇するにつれて豪快な加速性を発揮する。

ハイパワーなエンジンとは裏腹に、前モデルよりもコンパクトに仕上げられた車体や、前17/後18インチホイールの採用で、ハンドリングは素直でしなやか。不安を感じることはなく、高速ツアラーとしての走りを味わえる。異径デュアルピストンキャリパーとフローティングディスク、22リットルのタンク、シートエンドに納められた引き出し式のタンデムグリップ、格納タイプのバンジーフック、左テール部の小物入れなど、カワサキならではのツーリングに対応する装備も忘れてはいない。今となっては、後のZZ-R1100に続く最速ツアラーの中継ぎ的に見えてしまうが、高いポテンシャルを秘め、ZX-10は現代でも十分通用するモデルといえる。