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ドラッグレーサーをコンセプトに、アメリカンとは異なったスタイルの「エリミネーター」

カワサキは1979年のZ400LTDで第1次アメリカンブームに火を付けたものの、次第にその方向性を変えていった。レーサー指向へとユーザーニーズが強まっていくなか、1980年のZ250LTDを継承したZ250LTDツイン(1981年4月〜)をアメリカンブームの名残として留めるだけのときもあった。1985年にはVZ750ツインとEN400をラインナップするが、アメリカン市場の活性化にはつながらず、新たなコンセプトを探ることとなった。

カワサキは従来のアメリカンに固執せず、全く視線を異なった方向に向け、「エリミネーター」を誕生させた。1/4マイルを疾走するドラッグレーサー。そのダイナミックな躍動感をスタイリングコンセプトに、スーパースポーツモデル並みの動力性能を備えたモデルである。まずは、輸出車エリミネーター900(1985年)に次いでエリミネーター750(1985年)が国内デビュー。それに続きエリミネーター400(1986年)がラインナップされた。そのどれもがGPZのエンジンをリファインさせたものを搭載。加速に重点に置いたコンセプトで、いまだに、その加速感の虜(とりこ)になっているファンも多い。

前出の3台に加え、エリミネーター250(1987年)が登場。同シリーズは1998年にはV型エンジンを搭載した「V」へと進化。同時に、末弟であるエリミネーター125もラインナップされる。こうして、エリミネーター900の発展型であるZL1000(1987年)や同じ輸出車のエリミネーター600も含め、あらゆる排気量カテゴリーにエリミネーターの名を残すことになる。

速く、真っ直ぐに。カワサキ・ドラッグマシンのフラッグシップが「エリミネーター900(ZL900)」

GPZ900Rのアメリカンモデルと言っていいのだろうか、それがエリミネーター900(ZL900)だ。ただ速く、真っ直ぐに走ることだけを考えたロングホイールベース、105PSを発生するエンジンパワーを確実に路面に伝えるために装備された極太のリアタイヤ。エリミネーター900は、イメージだけでなく、走りもまた豪快なドラッグマシンを彷彿させる。その反面、低く構えた特徴的なフォルムは、エリミネーター900を意外にコンパクトに見せてくれ、すんなりとライディングできる印象さえ与える。

エンジンは、先に発売されたGPZ900Rの水冷直列4気筒エンジンをベースに、排気系に手を入れることにより、ピークパワーをGPZ900Rより10馬力低い105PS/9500rpmとし、中低速トルクを重視した、いかにもドラッグレーサー的な性格を与えられた。同時にミッションもローギアード化され、最高速の伸びよりも加速重視とされている。

1985年に初期型のZL900A1が登場。翌1986年、マイナーチェンジを受け、ZL900A2が発売された。1987年には、GPZ1000RXのパワーユニットを搭載するZL1000が登場。スタイルはまさにエリミネーターそのもので、最強版と言っても過言ではないが、「エリミネーター」の名を冠することはなかった。