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短命だったが充実のフルサイズ・フルパワー2ストオフ「KDX250SR(DX250F)」

1980年代後半から1990年代初めの2ストオフロードバイクは200ccクラスがメイン。ヤマハはDT200RからDT200WRへとモデルチェンジし、スズキはTS200R、カワサキはKDX200SRといったラインアップで、唯一、ホンダだけが250ccのCRM250Rを1989年に発売していた。その後を追うかのように、1991年に登場したのがKDX250SRで、KDX200SRの後継モデルというわけではなく、兄貴分的なポジションとなり、両者は同時にラインアップしていた。

エンデューロレーサーKDX250Rの公道モデルであるKDX250SRは、KDX200SRの35ps/8000rpm、3.2kg-m/7500rpmに対して、39ps/8000rpm、3.9kg-m/7000rpmと50ccの排気量差を十分感じられる程出力向上した。翌年には40ps/75000rpm、4.2kg-m/65000rpmと出力特性を変更し、より低回転でパワフルかつトルクフルになっている。これは、排気デバイスKIPSに加え、加速度補正機構付きDCIS(デジタル・コントロールド・イグニッション・システム)の採用も影響している。また、KDX250Rに対してバランサーを装着し、ミッションをワイドレシオ化することで、乗りやすさも向上している。フレームはモトクロッサーKX譲りのペリメーターフレームを採用し、メイン部分に丸パイプを使用することで剛性を落とし、エンデューロに合わせたしなやかさを演出した。

エンデューロではかなりの戦闘力を誇るKDX250SRも、1993年には2ストモデルを意識した「戦う4スト」のKLX250SRが登場し、翌1994年にはKDX200SRの後継モデルとなるKDX220SRが発売され、わずか数年でラインアップから消えることになる。走破性や日本人の体型を考慮するとKDX220SRの走破性は抜群だったが、300mmのストローク量を誇るφ43mmの倒立フォークなどの充実装備で、フルスペック、ハイパワーを楽しみたいならKDX250SRに軍配が挙がる。現在のKLXシリーズにはない2ストならではの面白さが堪能できるはずだ。